最近Microsoftがアクセシビリティ機能に力を入れているようだ。Microsoft Officeに、ディスレクシアなど読むことに困難のある人のためのイマーシブリーダー機能(WordやOneNote)や、聴覚にハンディキャップのある人のための音声入力による字幕表示機能(PowerPoint)ができている。
専用の特別なソフトウェアではなく、ビジネスの現場でも教育の現場でもよく使われるMicrosoft Officeにアクセシビリティ機能があるのが大きい。ぜひ教育現場でも知られて欲しいと思う。特に読むことや聞くことに困難のある義務教育の児童生徒のために教員に知られて欲しいと思う。
イマーシブリーダー機能
ディスレクシアなど読むことに困難がある人のための機能である。以下にMicrosoft社のヘルプ記事を挙げる。
イマーシブリーダー機能とは、行間や背景色を調整して読みやすくし、更に合成音声で読み上げる。読み上げの際には読んでいる単語をハイライトして示すので、どこを読んでいるのかがよくわかる。以下はMicrosoftが公開しているイマーシブリーダーを使う生徒の動画。特に義務教育の段階で読むことに困難を感じる児童生徒にとっては福音であると思う。
このイマーシブリーダー機能は外国語学習にも役立つ。OneNoteのイマーシブリーダー機能では、合成音声の男声女声の切替、速度の調整ができる。英語では読み上げだけではなく、音節の表示、品詞の表示、単語の意味を表すイラストの表示(絵辞書機能)ができる。日本語では品詞の表示、単語の意味を表すイラストの表示(絵辞書機能)ができる。中国語は読み上げのみだが、裏では単語区切りを認識しているので、読み上げの際、単語ごとにハイライトが移動していく。OneNoteのイマーシブリーダー機能はiPadでも動くので義務教育の段階でも使いやすいと思う。
以下のMicrosoftのWebページの中程の「自分の読書用資料でイマーシブ リーダーをお試しください」というコーナーでWebブラウザ上でイマーシブリーダー機能のお試しができる。読み上げさせたい文章を入れて、言語を指定して使用する。
PowerPointの自動字幕機能
このPowerPointの自動字幕機能は、Office365(サブスクリプションのMS Office)に含まれるPowerPointで使用できる。単体販売版のMS Office2019に含まれるPowerPointにはないので注意。
学会発表や授業でPowerPointでスライドを示しながら話していることを、音声入力で文字に変換し、リアルタイムでスライドの下に字幕として表示する機能である。聴覚にハンディキャップがある人が発表や授業を聞くのを助けることができる。更に機械翻訳をかませて、日本語でしゃべって英語字幕を表示、日本語でしゃべって中国語字幕を表示ということも可能である。ただし機械翻訳なので翻訳間違いはつきものである。
具体的な操作方法は以下のMicrosoft社のヘルプ記事を参照のこと。