【今日の主な内容】
・字形に関するプリント配布
・憶えておきたい形容詞の反義語ペアのプリント配布
・3ケタ以上の数字の口頭練習
・第8課 p73
・p75 練習[4]の(1)と(2)
【今日のおまけ】
・中国料理は大皿をみんなで楽しく
西洋料理の影響を強く受けているレストランは別として、一般に中国のレストランに行くと料理は“盘子pánzi”(大皿)に盛られて出てきます。例えば、“来一个糖醋排骨”(スペアリブの甘酢炒めを1つ下さい)と頼めば、出てきた料理は1人前ではなく、数人は食べられる量です。各人の手元には“碟子diézi”と呼ばれる小さな取り皿が置かれ、大皿の料理をみんなで分けて食べます。取り箸が使われることはあまりなく、自分の箸でそのまま取ります。“汤tāng”スープも洗面器ほどあるような大きな器に盛られて出てきて、それを小さなお椀に取り分けます。
したがって、中国のレストランに食べに行くときは、最低でも4人くらい一緒に行かないと何種類もの料理を頼んで食べることができないことになります。外食は友達や家族と一緒に大勢でがいがいわやわやと楽しく食べるのが中国流です。
逆に言えば、一人で外食しようとすると困ってしまいます。“小吃店”と呼ばれる軽食(ギョーザ、肉まん、麺類など)を出すお店だと一人でも食べられますが、料理にバラエティがありません。近年都会を中心に普及した“快餐”(ファーストフード)でも1人で食べられますが、やはり料理にバラエティがありません。
“食在中国”(食は中国にあり)と言いますが、それを味わうには一人ではダメで、一緒に食べに行く仲間が必要なのです。
・重量で注文する主食
中国の主食は伝統的には北方は小麦粉で作った食品、南方は米でした。教科書では“一斤饺子”(500グラムのギョーザ)と注文しているように、これらの主食を注文する時には重量で注文するという習慣があります。日本ではこういう習慣がないので最初はとまどうかもしれませんが、だいたい1人前で100〜150グラムと考えればよいと思います。
・テーブルの上は料理でいっぱい—招く側は如何に気前良いかを示す
中国では招いた側が如何に気前が良いかということを見せようとします。したがって料理は食べきれないくらいたくさん出されるのが普通です。食べきれるような量しか出さないとそれはケチだと思われます。
一方日本では招かれた客の側が如何に礼儀正しく振る舞うかということが重視され、客は出されたものは全部食べなければ料理がおいしくないのかと思われてしまい、招いてくれた人に対して失礼だと感じます。
招いた中国側は日本の客人がどんどん食べるのでもっと追加しなければと思い、招かれた日本側は残さず食べないと失礼だと思って必死で食べる……日中の文化習慣の相違によるとんだ悲喜劇です。
・招いた人が客に料理を取ってあげる
中国では招いた側の主人が客に料理をとってあげるという習慣があります。気がつくと自分の取り皿があっという間に主人が取ってくれた料理で料理で山盛りになっているということは珍しくありません。もし自分のペースで食べたければ、以下のように言うとよいでしょう。
谢谢,我自己来。(ありがとう、私自分で取ります。)
Xièxie,wǒ zìzǐ lái.
相手はあなたを歓待しようと好意でしていることですから、にっこり微笑んでお礼を言って下さいね。
・ワリカンは人情味に欠ける
日本では会社の上司が部下を食事に誘うなど明らかに力関係に差がある時は、上の者が食事をおごるということがありますが、学生同士が食事に行った場合はワリカンにするのが普通です。
中国では全くないという訳ではありませんが、基本的にワリカンはしません。誘った人がおごります。これは学生同士の場合もそうです。
日本に来た中国の人はそれこそ何百円単位までワリカンしているのを見て、「ケチくさい」「人情味がなく冷たい」と感じるようです。
これは恩の貸し借りの期限が日本と中国では異なることに起因すると思われます。日本で育った人は一般に相手に恩を借りたままになっていると気になってしょうがないので、できるだけその場で恩の貸し借りを解消したい、そうしないと今後は何か負い目があるようでつきあいにくくなると感じます。ワリカンはそういう気質によく合った制度です。
中国で育った人にも恩の貸し借りのバランスシートはあります。恩を借りっぱなしにするのは良くないことです。ただその期限が日本よりずっと長い、極端な話一生のうちで恩の貸し借りがプラスマイナス0になればよいと思っているようなところがあります。今日は僕がおごる、じゃあ今度はわたしがおごる、こうやっておごる人を仲間内でぐるぐる回していけば、また今度みんなで集まる機会ができる、そうする方が友情が長く続くように感じるようです。今度おごるというのが数年先ということもありえます。
・中国料理の料理名の付け方
中国料理の名前は随分凝っていて、メニューを見ただけではわからないことも少なくありません。日本のように店の前にサンプルを出す習慣もありませんから、どんな料理かわからなくて困ることがあります。そんな時は教科書に出ているように、中国人の友達と一緒に行って頼んでもらったり、他の人の食べているものを見てあれが欲しいというのも手です。
わかりにくい中国料理の名前ですが、名前の付け方の原則はあります。料理名の中には材料や材料の切り方、調理法や味付けが入っています。
青椒肉丝
青椒(ピーマン)
肉(豚肉、中国料理で肉とだけ書いてあれば豚肉です)
丝(細切り)
干烧大虾
干烧(うま煮、中国料理の“烧”は焼くではなく、油で炒めたり揚げたりした後で煮ることです)
大虾(車エビ)
糖醋排骨
糖醋( “糖”は砂糖、 “醋”はお酢)
排骨(スペアリブ、骨付き肉)
・辞書のコラムを読んでみよう
最近の辞書は単に語釈や用例が書いてあるだけではなく、中国文化に関する知識など読んで楽しく役に立つコラムが載っています。中国料理については以下の辞書にコラムがありますから、読んでみて下さい。
『小学館中日辞典第2版』p147〜149
『講談社中日辞典第2版』p152〜153
『東方中国語辞典』p136〜137
【今日の課題】
・我也刚来。(私も来たばかりです。)
・你想吃点儿什么?(あなたは何を食べたいですか。)
・我看不懂菜单,还是你来点吧。(私はメニューを見てもわかりません、やはりあなたが注文してください。)
【今日の宿題】#配布された用紙に書いて来週提出!
・p75 練習[1]漢字(簡体字)を写し、拼音字母を振り、日本語訳を書く。
・p75 練習[2]与えられた単語を正しく並べ替えて、簡体字で書く。