存在を表す“有”と所在を表す“在”

Q:場所+有”+人や物という構文と、人や物+“在”+場所という構文を習いましたが、どう違いますか?
A:まず以下の例を見てください。
(例1)<地理に不案内な所で銀行を探す>
A:这附近有银行吗?
Zhè fùjìn yǒu yínháng ma?
(この近くに銀行はありますか)
B:有。有一个中国银行。
Yǒu. Yǒu yí ge Zhōngguó yínháng.
(あります。中国銀行があります)
A:(中国银行)在哪儿?
(Zhōngguó yínháng) Zài nǎr?
(どこにありますか)
B:在那儿。
Zài nàr.
(あそこにあります)
この例からわかるように、“有”の構文は存在するかどうかを問題にするもので、“在”の構文は人や物は存在するともうわかっていて、その所在を示すものです。
“在”の構文に出てくる人や物は、もう存在することがわかっている(既知)特定の人や物です。
(例2)
我哥哥在北京。
Wǒ gēge zài BěiJīng.
(私の兄は北京にいます)
一方“有”の構文に出てくる人や物は不特定のものです。また“有”の構文に出てくる人や物は数量詞を伴うことが多いです。
(例3)
桌子上有一本书。
Zhuōzi shang yǒu yì běn shū.
(机の上に1冊の本があります)
ここの本は本という物体を一般的に指しているだけであって、特定の本ではありません。
(例4)
书在桌子上。
Shū zài zhuōzi shang.
(本は机の上にあります)
この場合の本は話し手と聞き手の間であの本のことだなと了解している特定の本のことです。
なお、(例2)は以下のように言うことはできません。
×北京有我哥哥
私の兄というのは特定の人物だからです。