10月31日(月)IV

【今日の主な内容】

・前回の宿題の正解発表
・第6課 p61 後半
・第7課 p64 形容詞+“一点儿”で作る命令文
・第7課 p65 比較文

【今日のポイント】
・人がその程度を調節できる形容詞+“(一)点儿”で命令文を作ることができる。
(例) 快点儿!Kuài diǎnr!(はやくして)
(例) 慢点儿!Màn diǎnr!(遅くして)
#“快”“慢”も速度に関して言う言葉です。時刻が早い遅いは別の形容詞になります。
早zǎo(時刻が)早い
晚wǎn(時刻が)遅い

・比較文
A>B A比B〜
(例) 老张比我大。(張さんは私より年上だ)
差は形容詞の後に置く。日本語と語順が逆になるので注意。
(例) 老张比我大两岁。(張さんは私より2歳年上だ)

A<B A没有B〜
(例) 他没有我高。(彼は私ほど背が高くない)

A≦B A不比B〜
(例) 他不比我高。(彼は私より背が高いわけではない)
この文型はA比B〜の単純な否定ではありません。彼が私より背が高いと思っている人に対して、そうじゃない、彼は私より背が高いわけじゃないんだと反駁する言い方です。したがって、私が彼より背が高いこともあれば、彼と私の身長は同じということもあります。いずれにしても彼が私より背が高くないという点では変わりません。

【今日のおまけ】
・借りるも貸すも同じ言葉
日本語話者にとっては不思議なことですが、中国語では借りると貸すが同じ言葉で表されます。
借 jiè (借りる、貸す)
#お金は介在しません。例えば、図書館の本

租 zū (お金を払って借りる、お金を取って貸す)
#必ずお金が介在します。例えば、マンションの部屋やレンタカー

日本語では物の所有者が誰かによって借りるか貸すが決まります。例えば、もし自分の物であれば「貸す」になりますし、他人のものであれば「借りる」になります。
一方、中国語はどちらが物の所有者であるかという点には着目せず、二者の間で物のやり取りが行われていることということに着目します。したがって、借りるも“借”、貸すも“借”です。ややこしくないのかな?と思うかもしれませんが、実際の文では“借”だけでなく前後の文がありますから、容易に区別できます。

・各種書類の記入欄によく出てくる憶えておきたい語彙
姓名 xìngmíng (氏名)
联系地址 liánlìdìzhǐ (連絡先の住所)
电话号码 diànhuà hàomǎ (電話番号)
手机号码 shǒujī hàomǎ (携帯電話の番号)

・日本の携帯電話は中国でも使える?
答えはyesでもありNoでもあります。日本と中国では携帯電話の通信方式が異なります。したがって基本的には使えないということになります。但し、日本でいわゆる第三世代と言われる携帯のうち、一部の機種は中国でも使えます。といっても、1台の携帯の中に日本の通信方式に対応する機械と中国の通信方式に対応する機械の両方を入れてあるという形です。ちょっと旅行に行くくらいだったら日本から対応する機種を持って行く(買い換える或いは旅行社が提供するレンタルサービスを利用する)という手がありますが、日本の携帯を中国で使うと通話料金が高くつくので、留学などで長期滞在するのであれば中国で現地の方式の携帯を買った方が安上がりです。

【今日の課題】
我想换点儿钱。(私はちょっと両替したい)
您要租多长时间?(あなたはどのくらいの間レンタルしたいですか)
老张比我大两岁。(張さんは私より2歳年上です)
他没有我高。(彼は私ほど背が高くありません)

【小テスト予告】
11月14日(月)第1回小テストを行います。テスト範囲は来週発表します。

10月24日(月)IV

【今日の主な内容】
・宿題の回収
・第6課 p59様態補語
・p60 動詞+“给”+人
・p60 5の例文
・p61 会話の前半

【今日のポイント】
・様態補語
すでに起こったことや恒常的に行っていることについて、後ろからその様子や状態を補う。

跑得很快。pǎode hěn kuài.(走るのがとても速い)
跑得不快。pǎode bú kuài.(走るのが速くない)

様態補語が付いた動詞は後ろに目的語を取ることができない。目的語を言うには、動詞を2回使う。
写字写得很好。xiě zì xiěde hěn hǎo.(字を書くのがとてもうまい)
写字写得不好。xiě zì xiěde bù hǎo.(字を書くのがうまくない)

目的語が独立して使える単語であれば、前の動詞を省略できる。
他(写)字写得很好。(彼は字を書くのがとてもうまい)
他(写)字写得不好。(彼は字を書くのがうまくない)

他说汉语说得很好。Tā shuō Hànyǔ shuōde hěn hǎo.(彼は中国語を話すのがとてもうまい)
他汉语说得很好。(彼は中国語を話すのがとてもうまい)

×他说汉语得很好
#“得”は動詞や形容詞について補語を導く助詞、名詞である“汉语”にくっつくことはできない。

他写字写得不太好。Tā xiě zì xiěde bú tài hǎo.(彼は字を書くのがあまりうまくない)
他字写得不太好。(彼は字を書くのがあまりうまくない)

×他写字得不太好
#“得”は動詞や形容詞について補語を導く助詞、名詞である“字”にくっつくことはできない。

・「与える」という意味合いを持つ動詞+“给”+受け取る人
(例)送(プレゼントする)    送给我(私にプレゼントする)
(例)递(手渡す)                 递给我(私に手渡す)
(例)交(渡す、提出する)    交给老师(先生に提出する)

・“什么”+名詞
名詞の内容や性質を尋ねる。何の〜、どんな〜
(例)你有什么事?(どんな用事がありますか)

・“怎么”+動詞
方法や方式を尋ねる。どうやって
(例)国际电话怎么打?(国際電話がどうやってかけますか)

【今日のおまけ】
“押金yājīn”(前払い金、保証金)
中国の一部のホテルでは部屋から国際電話をかけるときに、“押金”を要求されることがあります。“押金”を払うと国際電話がかけられるようになります。

“旗袍qípáo”(チャイナドレス)
中国最後の王朝である清(しん)は少数の満族が、多数の漢族を支配しているという構造になっていました。“旗袍”は漢族の民族衣装ではなく、元は満族の服装でした。近代になって西洋の服の影響を受けて、今見られるような身体のラインにぴったり沿うように仕立てるようになりました。
同じく満族の風習に「辮髪(べんぱつ)」があります。格闘ゲームなどで中国の武術の達人(男性)が出てきた時、髪の毛を頭のてっぺん部分だけ長く伸ばして三つ編みにし、後の部分は剃っているという髪型をしているのを見たことありませんか?あれが辮髪という髪型です。辮髪は元々満族の風習でしたが、清朝は漢族にもそうすることを強要しました。清朝末期、満族の支配に抵抗した漢族の青年たちは、辮髪を切ることでその意志を表明しました。
参考文献:関西中国女性史研究会編『中国女性史入門—女たちの今と昔』(人文書院 2005年)

・時計の言い方は2種類
中国語では腕時計の言い方と、掛け時計・置き時計の言い方が異なります。腕時計は “手表shǒubiǎo”、掛け時計は “挂钟guàzhōng”置き時計は “座钟zuòzhōng”と言います。したがって時計屋さんのことは “钟表店zhōngbiǎodiàn”と言います。
中国では掛け時計や置き時計をプレゼントするのは縁起が悪いとされるそうです。なぜなら “送钟”(掛け時計や置き時計をプレゼントする)という言葉の発音が、 “送终”(死を看取る、葬送する)という言葉の発音と同じになるからです。人に腕時計をプレゼントするのは問題ありません。だって腕時計は “钟”ではありませんから。
これに類する同音によるタブーは他にもあり、例えば “分梨fēn lí”(ナシを割って分ける)のは良くない、 “分离fēnlí”(離ればなれになる)に通じるからと言ったりします。

【今日の課題】
你说得对。(おっしゃるとおりです)
他吃饭吃得很快。(彼はご飯を食べるのが速い)
我想往日本打国际电话,请问怎么打?(日本へ国際電話をかけたいのですが、すみません、どうやってかけますか。)

10月17日(月)IV

【今日の主な内容】
・宿題回収
・第5課 p55 会話文後半
・第6課 p58〜59 時量
・p59 (一)点儿
・p60 量詞

【今日のポイント】
・数詞が名詞を修飾するとき、間に量詞(数える言葉)が必要である。
数詞+量詞+名詞
三个学生(3人の学生)
× 三学生

・“这”(これ)“那”(あれ、それ)“哪”(どれ)が名詞を修飾するとき、原則として間に量詞(数える言葉)が必要である。
“这”+量詞+名詞
(例)这个学生(この学生)

“那”+量詞+名詞
(例)那本书(あの本)

“哪”+量詞+名詞
(例)哪个人(どの人)

・2には“二”と“两”があり、使い分ける。
“二”は順番、“两”は量。
(例)两个学生(2人の学生)
×二个学生

・時量
時の長さ
[〜年]一年   两年    几年?
[〜か月]一个月        两个月        几个月?
[〜週間]一个星期        两个星期        几个星期?
[〜日間]一天        两天        几天?
[〜時間]一个小时        两个小时        几个小时?
[〜分間]一分钟        两分钟        几分钟?

“几年?”“几个月?”“几个星期?”“几天?”“几个小时?”“几分钟?”は、それぞれ答えの単位を予想した尋ね方。

“多长时间?”(どれくらいの時間?)は広く時の長さを尋ねる言い方。
答えは“〜分钟”、“〜个小时”、“〜天”、“〜个星期”、“〜个月”、“〜年”などいろいろありうる。

・動詞+“点儿”+目的語
(例)我想换点儿钱。(少し両替したい)。
换(両替する)+点儿(少し)+钱(お金)

【今日のおまけ】
・動詞+継続時間
日本語と語順が異なるので注意!
(例)看一个小时(1時間見る)
(例)你住几天?(何日間泊まりますか)

【今日の課題】 
・p58〜59 時量(日本語を聞いて、簡体字と拼音字母で書く)

【今日の宿題】#配布された用紙に書いて来週提出!
・p57[1]簡体字を写し、拼音字母をふって、日本語に訳す。
・p57[2](1)〜(3)まで。
#拼音字母は1行使って大きく書いてください。

10月3日(月)IV

【主な内容】
・シラバス配布
・発音の簡単な復習
・第5課 p53〜54
・第5課会話、5行目まで

【今日のポイント】
・“往”+方向+移動の意味を持つ動詞
(例)往左拐。(左へ曲がる)

・“离”+基点+へだたりを表す動詞や形容詞
へだたりとは?
距離や時間がどれくらい離れているかということ。
(例)我家离车站很近。(私の家は駅から近い)
(例)今天离考试还有一个星期。(試験までまだ1週間ある)

・可能を表す助動詞
「できる」系の助動詞は3兄弟である。
能néng
可以kěyǐ
会huì
この3兄弟は得意技がそれぞれ異なり、使い分ける。
今日のテーマは可以kěyǐ、許可があってできる、条件が整っていてできるという意味を表す。
否定の仕方に注意
許可がなくてできない:不可以,不能
条件が整っていなくてできない:不能
(例)
这儿可以照相吗?Zhèr kěyǐ zhàoxiàng ma?
(ここは写真を撮ってもいいですか)
不行。这儿不能照相。
Bù xíng. Zhèr bù néng zhàoxiàng.
(だめです。ここは写真を撮れません。)

・“多”+1音節の形容詞    どれくらい〜?
形容詞は反義語のペアになっているもののうち、程度の高い方しか使えない。

多远?(どれくらいの距離?)
×多近
多大?(どれくらいの大きさ?)
×多小
多高?(どれくらいの高さ?)
×多短
多长?(どれくらいの長さ?)
×多短

[例外]
多少?(いくつ?)
×多多

【おまけ】
・憶えておきたい通貨の言い方
人民币 Rénmínbì (人民元、中華人民共和国の通貨)
日元 Rìyuán (日本円)
美元 Měiyuán (アメリカドル)

・人民元の単位
話し言葉:块 kuài
書き言葉:元 yuán
日本語に訳すときは「元」を使います。

・社会人になったら必要な語彙
上班 shàngbān (出社する)
下班 xiàbān (退社する)
加班 jiābān (残業する)

・旅行支票(トラベラーズチェック)とは?
旅行者用の小切手です。日本国内の銀行で円やドルのトラベラーズチェックが買えます。
サインするところが2箇所あり、1箇所は買ってすぐにサインします。もう1箇所は小切手を使う時に店員や銀行員の目の前でサインします。サインを1箇所しかしていないトラベラーズチェックは、落としたり盗られたりしても再発行してもらえます。
アメリカではお店で小切手のまま使えますが、中国ではホテルや銀行で一旦人民元に両替してから使います。

・人民元切り上げ問題(人民元は固定相場制からやがて変動相場制へ?)
今まで人民元はアメリカドルとの固定相場制でした。人民元とアメリカドルの交換比率が固定されていたわけです。それが中国経済の急速な発展に伴い、人民元の相場が中国の実力を反映していない、不当に安すぎる、人民元を切り上げるべきだという意見がアメリカを中心とする先進国から出てきました。人民元が安い→中国から輸出がしやすい→アメリカは中国からの輸入が増える→アメリカの貿易赤字が増える、アメリカ国内の産業が中国の安い製品によって打撃を受けるというわけです。
中国は急速に発展してきたとはいえ、国内の産業の基盤はまだ脆弱なところがあり、為替相場を市場の原理にまかせて一気に変動相場制にすると、国内の輸出産業が為替変動のショックに耐えきれないと考えています。その一方でこのまま人民元が実力以上に安すぎると、輸出で外貨を稼ぐ→中国の外貨準備高が増える→中国国内に資金がだぶつき、インフレやバブル経済に引き起こしかねません。
結局、一定の範囲での為替の変動を認めていこうということになりましたが、今のところその変動の幅はごくわずかです。

【今日の課題】
・在前面的十字路口往左拐吧。
・这里可以照相,但是不能录像。
・可以兑换旅行支票吗?
・你家离学校有多远?

7月11日(月)IV

【主な内容】
・宿題の模範解答配布。
・処置文(“把字句”)に関するプリント配布。
・助動詞“要”に関するプリント配布。
・第4課 p49
・第5課 p53 助動詞“要”

【今日のポイント】
・助詞“吧”
文末に置いて、命令や断言のニュアンスを和らげる働きをする。
(例)你去。(行け。)
   你去吧。(行って下さい。)
(例)你是日本人。(あなたは日本人です。)
   你是日本人吧?(あなたは日本人でしょう?)

・“要”
1.動詞としての“要”(欲しい、要る)
(例)你要哪个?(あなたはどれが欲しいですか。)

2.助動詞としての“要”
(1)意志願望(〜したい)
我要去中国。(私は中国に行きたい。)
否定は“不想”
我不想去中国。(私は中国に行きたくない。)

(2)必要(〜しなければならない)
你要买一本汉日词典。(あなたは中日辞典を1冊買わなければなりません。)
否定は“不用”
你不用买汉日词典。(あなたは中日辞典を買わなくてもよいです。)

なぜ否定になると違う助動詞を使うのか?
“不要”は禁止を表すから。

“不要”(〜してはいけない)
不要随地吐痰。(そこらじゅうに痰を吐いてはいけません。)

不要说话。(話をしてはいけません。)
Búyào shuōhuà.

【今日のおまけ】
・中国にもゴールデンウィーク(“黄金周 huángjīnzhōu”)がある。
数年前から国内消費を喚起するために、中国でもゴールデンウィークが設けられるようになりました。春のゴールデンウィークは5月1日のメーデー(“五一劳
动节 wǔyī láodòng jié”)の前後数日間、秋のゴールデンウィークは10月1日の建国記念日(“国庆节 guóqìng
jié”)の前後数日間です。急速な経済の発展に伴い、生活に余裕がある人が増え、余暇の過ごし方として観光旅行がブームになっています。中国国内の旅
行だけでなく、海外旅行に出かける人も出てきました。中国から日本への団体観光旅行用ビザは、今まで一部の沿岸地域の大都市の住民にのみ発給されていまし
たが、まもなく中国全土に拡大される予定です。
ちなみにビザは基本的に相互主義であり、日本から中国に観光旅行に行く場合もビザが必要ということになりますが、今のところ2週間以内の観光旅行であればビザが免除されています。

・思わぬところで身分を証明する書類(“证件 zhèngjiàn”)が必要に。
日本でホテルにチェックインするときには宿泊カードに記入するだけですが、中国では宿泊カード( “登记卡
dēngjìkǎ”
)に記入するだけでなく、“证件 zhèngjiàn”の提示を求められます。中国を訪れる外国人にとっての“证件
zhèngjiàn”はパスポート(“护照 hùzhào”)です。その他にも、中国では国内線の飛行機でもチェックインの際に“证件
zhèngjiàn”の提示を求められますし、外貨の両替には“护照 hùzhào”が必要です。
中国に限らず外国に行ったら命の次に大事なのは“护照 hùzhào”です。教科書の例文のように“我把护照丢了。”(パスポートをなくしました。)なんていうことにならないように十分気をつけて下さい。

・店員は店員でも。
店員は店員でもウェイターやウェイトレスのようにサービス業に従事する人は“服务员 fúwùyuán”です。ホテルで働いている人もサービス業に従事していますから“服务员 fúwùyuán”です。
お店で品物を売っている店員さんは“售货员 shòuhuòyuán”と言います。

【期末試験について】
日時:7月25日(月)IV
場所:A1−129(普段の教室とは異なるので注意すること!)
範囲:発音編、及び会話編の第1課から第5課(助動詞“要”)まで
#配布プリントも範囲に含む(但し簡体字と日本漢字の対照表は除く)。
#教科書の範囲のうち、省略した例文や練習は除く。
#問題形式や受験に際しての注意など詳しくは先週(7月4日)の配布プリントを参照すること。プリントはプリントの倉庫からダウンロードできます(要パスワード)。

【試験前の質問受付日について】
今日がこの授業の試験前最後の授業です。
質問がある人は7月20日(水)午前9時〜12時、午後2時〜5時に控え室(A1棟2階)に来て下さい。この時間帯であれば、アポイントメントは必要ありません。ドアをノックして入ってきて下さい。

7月4日(月)IV

【今日の主な内容】
前期試験に関する説明のプリント配布
・小テストの返却。
・宿題の回収。
・第4課 p47“把”、“对”
・p47の完了と経験の例文(但し一番最後の例文は除く)
・p48の“帮”

【今日のポイント】
・“把”+目的語+動詞フレーズ。
中国語の大原則は、動詞+目的語の語順。
これは特殊な構文であり、なんでもこの形で言えるわけではない。
目的語は特定のもの、話し手と聞き手の間でこれだと特定できるものでなければなならない。
動詞フレーズは動詞単独ではだめ。必ず動詞以外の他の成分が入っていないといけない。
特定の目的語に対してどういう処置がされる(された)かということを強調する構文である。

(例)请把你的电话号码告诉我。(あなたの電話番号を教えて下さい。)
 ×请把你的电话号码告诉

前置詞“对”
“对”+評価や陳述の対象+用言
(例)我对中国历史感兴趣。(私は中国の歴史に興味があります。)

【今日のおまけ】
・“了”=「た」?
そうではありません日本語で「〜た」と言うからと言って、中国語でも必ず“了”がつくわけではありません
動詞+“了”は、動作行為の完了を表します。

(例)昨天的菜很好吃。(昨日の料理は美味しかった。)
#“好吃”は形容詞ですから、動作行為の完了を表す“了”はつけられません。

(例)我母亲以前是护士。(私の母は以前看護婦でした。)
#“是”は動詞ですが、AはBであるという判断や認定を表す動詞で、動作行為を表しているわけではありません。したがって動作行為の完了を表す“了”はつけられません。

・〜に興味がある、ないという表現の仕方
你对〜感兴趣吗?(あなたは〜に興味がありますか。)

我对〜很感兴趣。(私は〜にとても興味があります。)
我对〜感兴趣。(私は〜に興味があります。)
我对〜不太感兴趣。(私は〜にあまり興味がありません。)
我对〜不感兴趣。(私は〜に興味がありません。)

【今日の課題】
・晚上我给你打电话。(夜私はあなたに電話をします。)
・我把护照丢了。(私はパスポートをなくしました。)
・我对中国历史感兴趣。(私は中国の歴史に興味があります。)
・你帮我拍一下吧。(ちょっと私のかわりに撮って下さい。)

6月27日(月)IV

【今日の主な内容】
・小テスト第2回の実施。
・中国語のアスペクト等に関するプリントの配布。
・第4課 介詞(前置詞)の“对”

・第4課 完了と経験
・“一”の声調変化について

【今日のポイント】
・完了のアスペクト:動詞+“了”
否定:“没(有)”+動詞   “了”が消えるのに注意
疑問:動詞+“了”+“吗”?
疑問(反復疑問文1):動詞+“了”+“没有”?
疑問(反復疑問文2):動詞+“没”+動詞?
#反復疑問文を2種類一気に憶えられなかったら、まず反復疑問文1のパターンを憶えて下さい。

(例)
看了那个电影。(あの映画を見ました。)

没看那个电影。(あの映画を見ていません。あの映画を見ませんでした。)

看了那个电影吗?(あの映画を見ましたか。)
看了那个电影没有?(あの映画を見ましたか。)
看没看那个电影?(あの映画を見ましたか。)

答え方:看了。(見ました。)
    没看。(見ていません。見ませんでした。)

・経験のアスペクト:動詞+“过”
否定:“没(有)”+動詞+“过”
疑問:動詞+“过”+“吗”?
疑問(反復疑問文1):動詞+“过”+“没有”?
疑問(反復疑問文2):動詞+“没”+動詞+“过”?
#反復疑問文を2種類一気に憶えられなかったら、まず反復疑問文1のパターンを憶えて下さい。

(例)
看过那个电影。(あの映画を見たことあります。)

没看过那个电影。(あの映画を見たことありません。)

看过那个电影吗?(あの映画を見たことあります。)
看过那个电影没有?(あの映画を見たことあります。)
看没看过那个电影?(あの映画を見たことあります。)

答え方:看过。(見たことあります。)
    没看过。(見たことありません。)

【今日のおまけ】
・1冊はどこへ?
她写了一本小说。(彼女は1冊の小説を書きました。)
この文の否定文は以下のようになります。
她没写小说。
“一本”(1冊)は消えてしまいます。
実はこれを文法的に説明しようとすると、相当複雑なことを言わなければなりません。そこで初級者向けの簡便な説明をしておきます。それは「そもそも書いていないんだから、冊数は問題にならないでしょ?」
1冊も書いていないという言い方はありますが、それは否定の強調になり、別の構文になります。
なお、簡体字の“写”の最後の横棒は突き抜けません!ブログのシステム上の制約で一部の簡体字が正確に表示できません。

・教科書の“一”の声調がいろいろありますが、これってどういうこと?
“一”は元来1声yīです。序数(順番を数えるときの一番目)の場合はそのまま1声で発音します。
(例)
一月    (1月=1年のうちで一番最初の月)
yīyuè

序数ではないときは、後ろの声調によって4声または2声になります。

4声yì:後ろに1声・2声・3声が続くとき。
一支钢笔    (1本の万年筆)
yì zhī gāngbǐ(yi4 zhi1 gang1bi3)

一条毛巾    (1枚のタオル)
yì tiáo máojīn(yi4 tiao2 mao2jin1)

一本书    (1冊の本)
yì běn shū(yi4 ben3 shu1)

2声yí:後ろに4声が続くとき。
一辆汽车    (1台の自動車)
yí liàng qìchē(yi2 liang4 qi4che1)

一个月    (1カ月)
yí ge yuè
(“个”は元来4声)

教科書では声調の変化を反映した声調符号を付けています(だから3種類の声調の“一”があります)。辞書や一部の教科書では“一”を全て1声で通しているものもありますが、実際に発音するときには声調が変化します。

“一”の4声と2声の声調の変化のパターンは“不”と同じです。ということは、“一”を見たらまず序数でないか判断して、序数なら1声で発音します。
序数でないのなら、“一”の後ろの声調を見て“不”と同じパターンで声調を出します。

【今日の課題】
・p46〜p47の時間名詞を憶える。聞き取れるようにする。日本語から中国語(簡体字と拼音)に訳せるようにする。

・完了と経験の文型を憶える。

6月20日(月)IV

【今日の主な内容】
・課題のチェック
・前回の宿題の模範解答配布
・第4課の1
・第4課の2の“给”
・第4課の5

【今日のポイント】
・時間名詞 時点(時の流れの中の1点を指し示す名詞)
前天 昨天 今天 明天 后天
前年 去年 今年 明年 后年
上个月 这个月 下个月
上个星期 这个星期 下个星期

・時間名詞 時量(時間の量を表す名詞)
一天 两天 …… 几天?
一个星期 两个星期 …… 几个星期?
一个月 两个月 …… 几个月?
一年 两年  …… 几年?

・時点と時量の比較
時点:二月二号(2月2日)
時量:两个月(2ヶ月) 两天(2日間)

・前置詞“给”
“给”+動作行為の受け手+用言
(例)我给你打电话。(私はあなたに電話をします。)
“给”+動作行為の受益者+用言
(例)你给我找一找。(私のためにちょっと探して下さい。)

・「ちょっと〜する、〜してみる」の言い方
(1)動詞+“一下”
#p36を参照すること。
(例)等(待つ)  (例)等一下(ちょっと待つ)
(例)休息(休む) (例)休息一下(ちょっと休む)

(2)動詞の重ね型
   漢字1文字の動詞の重ね型
   □□または□一□
   (例)等(待つ)
   (例)等等(ちょっと待つ)
   (例)等一等(ちょっと待つ)

   漢字2文字の動詞の重ね型
   □□
   #□一□の形はない!
   (例)休息(休む)
   (例)休息休息(ちょっと休む)
    休息一休息はまちがい!

いずれの言い方も動作行為の軽減化(〜する→ちょっと〜する)が起こるため、相手にかける心理的負担が軽くなり、頼む表現によく使われます。これは日本語でも同様の現象がありますね。「待って。」というより「ちょっと待って。」と言った方が柔らかく聞こえるでしょう?

【今日のおまけ】
・電話を下さい、ファクスを送って下さいという表現
请给我打电话。(私に電話して下さい。)
请给我发传真。(私にファクスを送って下さい。)
发传真 fā chuánzhēn(ファクスを送る)。
ファクスのことは“传真”と言います。“传真”は日本語の漢字で書くと「伝真」になります。こちらの書類がそのままの形で相手に伝わるからでしょう。

【今日の宿題】#配布された用紙に書いて再来週(7/4)提出!
p44课文の簡体字と拼音字母を書き写し、日本語に訳す。
p45の〔3〕


【小テストの予告】

来週(6/27)に小テストをします。
範囲は以下の通りです。
第2課
第3課
第4課の1
第4課の2の“给”
第4課の5
問題形式など詳しくはプリントの倉庫から今日のプリント(050620M4)をダウンロードして下さい(要パスワード)。

6月13日(月)IV

【今日の主な内容】
・課題のチェック。

・宿題の回収。

・名前の簡体字と拼音字母のプリント配布。

・p42の2のCの残り。

・p42の3

・p42の4

・p43の下から5行目まで。

【今日のポイント】
・存在を表す構文:場所+“有 yǒu(you3)”+人、物。
     否定は、場所+“没有 méi yǒu”+人、物。
#存在するかどうかを表す構文。

・所在を表す構文:人、物+“在 zài”+場所。
     否定は、人、物+“不在 bú zài”+場所。
#存在することはもうわかっていて、それがどこにあるかを表す構文。

(例)
A:这附近有银行吗?(この近くに銀行はありますか。)
#銀行があるかどうかわからなくて尋ねています。

B:有。有中国银行。(あります。中国銀行があります。)

A:中国银行在哪儿?(中国銀行はどこにありますか。)
#銀行があるとわかったので、そのありかを聞いています。

B:在那儿。(あそこにあります。)

・“在 zài”の品詞は3つあります。
動詞:存在(いる、ある)。
介詞(前置詞):動作行為の場所を導く(〜で)。
副詞:進行(〜しているところ)

・介詞(前置詞)の“在 zài”
前置詞+〔   〕+用言(動詞・形容詞)。
“在 zài”+〔場所〕+用言。

(例)
你在哪儿工作?(あなたはどこで働いていますか。)

・“什么”+名詞
名詞の内容や性質を問う。何の〜、どんな〜

(例)
你买什么书?(あなたはどんな本を買いますか。)

【今日のおまけ】
・生まれた年を聞く。
A:你是哪年生的?(何年生まれですか。)
B:一九八五年生的。(1985年生まれです。)

・誕生日を聞く。
A:你的生日(是)几月几号?(あなたの誕生日は何月何日ですか。)
B:八月一号。(8月1日です。)

自分の生まれ年、誕生日を言えるようにしておきましょう。

・タクシーは教科書には“出租汽车”という言い方が載っています。これが標準的な言い方ですが、最近では“的士 díshì”という言い方がよく聞かれます。“的士 díshì”はTaxi の音訳です。元々香港の言い方でしたが、北上して中国大陸に広がりつつあります。

・中国の空港の入り口にはタクシーの客引きがたむろしていますが、相手にしてはいけません。こういう手合いは必ずと言っていいほど、メーターを使わずに高くふっかけてきます。荷物が重くてもタクシー乗り場まで行って乗りましょう。

タクシーを降りるときには必ず領収書をもらいましょう。トラブルになった時や忘れ物をした時に役立ちます。領収書はメーターから機械で打ち出す形に
なっていて、“车费”(タクシー料金)はもちろんのこと、“上车时间”(乗車時間)や“下车时间”(降車時間)、“车号”(タクシーの識別番号)等が書い
てあります。普通は何も言わなくても領収書をくれますが、もしくれないときは以下のように言って請求してください。
请给我发票。Qǐng gěi wǒ fāpiào.(Qing3 gei3 wo3 fa1piao4)
(領収書を下さい。)
もしこれが言えなくても、とにかく“发票 fāpiào”(領収書)の単語を憶えていればなんとかなります。

タクシーや路線バスの車内には“监督电话“(日本語の漢字で書くと「監督電話」)という表示が掲げられていますが、これは苦情申し立てのための電話番号のことです。

【今日の課題】
・他在家。(彼は家にいます。)

・这儿有护照。(ここにパスポートがあります。)

・他在家吃晚饭。(彼は家で晩ご飯を食べます。)

・p42の疑問詞の表

【小テスト予告】
6月27日(月)に第2回小テストを行います。
範囲は6月20日の授業で発表します。

6月6日(月)IV

【今日の主な内容】
・課題のチェック。

・先週提出の宿題の模範解答配布。

・第2課 p37

・第3課 p41の2

【今日のポイント】
・中国語の形容詞は単独で述語になれます。
(例)他高。Tā gāo.

英語と比較してみて下さい。
○He is tall.
×He tall.

但し、形容詞が単独で述語になると、比較対照のニュアンスが出てきます。
(例)他高,我不高。(彼は背が高いが、私は高くない。)

比較対照のニュアンスを打ち消すために程度副詞の“很”hěn(hen3)が使われます。
このような“很”は実質的に「とても」という意味はなく、発音する際も軽く読まれます。
(例)他很高。Tā hěn gāo.(彼は背が高い。)

では「とても背が高い。」と言いたい時はどうするのでしょう?
“很”を強く発音するのです。
他很高。Tā hěn gāo.(彼は背がとても高い。)

・但し、“很”が疑問文や否定文に表れたときには、「とても」という意味が常にあります。
(例)不难。(難しくない。)
(例)不很难。(さほど難しくない。)
(例)难吗?(難しいですか。)
(例)很难吗?(とても難しいですか。)

・副詞“有点儿”yǒudiǎnr(you3dian3r)
「ちょっと、少し」という意味ですが、どんな形容詞でも修飾できるわけではありあません。話し手にとって都合が悪いことについて使います。
(例)有点儿累。Yǒudiǎnr lèi.(少し疲れている。)

×有点儿好。”
“好”は「良い」という意味の形容詞です。話し手にとって都合が悪い“有点儿”とは矛盾しますので、こういう言い方はできません

・“太〜了”(程度がたいへん高い、或いは程度が高すぎて限度を超えている)
(例)太好了。(たいへん良い。)
(例)太贵了。Tài guì le.(値段が高すぎる。)

・“不太〜”(あまり〜でない。)
(例)不太好。(あまり良くない。)

・形容詞の否定の仕方
“不”+形容詞

・形容詞述語文の疑問文の作り方
動詞と同じ。
文末に“吗”をつける。
(例)汉语难吗?
肯定否定を重ねた反復疑問文。
(例)汉语难不难?

【今日のおまけ】
・汉语难吗?(中国語は難しいですか。)
・汉语难不难?(中国語は難しいですか。)
#教科書を参考にして自分の答えを作ってみて下さい。

・“儿化”について
原則として名詞について、小さい可愛らしいというニュアンスを添えます。
(例)花儿 huār
意味の区別にも使われます。
(例)这 zhè これ
   这儿 zhèr ここ
品詞の区別にも使われます。
(例)画 huà 描く(動詞)
   画儿 huàr 絵(名詞)

・“儿化”の発音
“儿化”の前の音節の後、すぐさま舌をそりあげます。舌のそり上げにじゃまになる音が脱落することがあります。但し、その際も表記上は残っていますから、注意が必要です。

鼻音を伴う母音→鼻音が脱落、但し表記上は残る。
(例)有点儿 yǒudiǎnr(you3dian3r) dianのnは発音しない。

iで終わる複母音→iが脱落、但し表記上は残る。
(例)小孩儿 xiǎoháir(xiao3hai2r) haiのiは発音しない。
#“小孩儿”は子供という意味です。

・难nán(むずかしい)の反義語は、容易róngyi(やさしい)
#简单jiǎndān(jian3dan1) という形容詞もありますが、「単純である」という意味です。

【教科書の訂正】
p41の“成绩”の拼音字母。
chéngjī
  ↓
chéng
#“成绩”の“绩”は、以前は1声で読んでいたのですが、1985年の

普通话异读审音表
(発音の揺れのある語彙について、共通語の標準的発音を定めた表)では4声になっています。

・中国での買い物ー遠慮無く値切ろう!
スーパーのようなところ別ですが、中国では一般の小売店では値切るが前提の値付けになっています。中国人相手でもそうですし、特にこちらが現地の状況がよくわからない観光客とわかると、10倍くらいふっかけていることも珍しくありません。言い値で買うのではなく必ず値切るようにしましょう。

日本では「お客様は神様です。」と言いますが、中国では買い手と売り手は対等です。値引きはお互い納得する値段で取引するための交渉なのです。よく日本人観光客が中国で「ボラれた!」と言って憤慨していることがありますが、きっと店側からすれば、その品物にはそれくらいの価値があると思ったから買ったんじゃないですか?ということなのでしょう。

日本で生まれ育った人は往々にして「正当な価格」というのがこの世には存在すると思っていますが、中国ではそうではないようです。原材料費1のものが100で高く売られようと、逆に原材料費100のものが1で安くたたき売られようとも、それは売買交渉の結果であり、価格というのは市場が決めるものだと考えているのです。ある意味、日本よりずっと資本主義的です。

ボラれないようにするには品物の質をよく観察し、そしてその品物の相場を知るよりほかありません。これは中国人だって同じです。こんなことわざがあります。

货比三家不吃亏。huò bǐ sān jiā bù chīkuī(huo4 bi3 san1 jia1 bu4 chi1kui1)
(物の値段は店によって違うから)物を買うときには3軒のお店を比較すれば、損をしない。

【今日の課題】
・他的学校不远。(彼の学校は遠くない。)
・汉语的发音很难。(中国語の発音は〔とても〕難しい。)
・这个好不好?(これは良いですか。)

【今日の宿題】#配布した用紙に書いて来週提出!
・p38の课文を写す(简体字も拼音字母も)。
・日本語に訳す。
・p39の〔3〕
・p39の〔1〕