Q:-nと-ngは違う音だと習いましたが、両方とも「ん」にしか聞こえません!
A:はい、日本語を母語とする人の耳で聞けばそう聞こえるのは当然です。
日本語の「ん」は実は1種類ではありません。
天王寺(てんのうじ)の「ん」:n、舌の先が上の歯の裏に当たって息が鼻に抜ける。
関空(かんくう)の「ん」:ng、舌の先は上がらず舌の根元がもりあがって息が鼻に抜ける。
難波(なんば)の「ん」:m、唇が閉じて息が鼻に抜ける。
この3つの「ん」はそれぞれ異なる出し方をしている音ですが、日本語では「ん」としてまとめていてその違いを聞き分けません。
一方、中国語では-nと-ngは聞き分けて別の音として扱います。
(例)班 (クラス)
(例)帮 (助ける)
-mで終わる音節は普通话(現代中国語の共通語)にはありません。
ある言語を母語としているということは、その言語に必要な聞き分けしかしないようにtune-upされた耳を持っているということです。日本語を母語としてるということは、耳が日本語仕様になっていますから、-nと-ngの違いは聞き分けるようにはなっていません。中国語を習い始めたということは、日本語仕様の耳に加えて、中国語を聞き分ける耳を訓練で作っていくことになります。
-nと-ngを100%聞き分けできなければ中国語がわからないかと言われればそうではないと思います。実際の会話では前後の文がありますから、それから推測できます。日本語で例を出すと、「あめがふる」と言った時の「あめ」は、よほど特殊な文脈が無い限り「雨」であって「飴」ではないでしょう。同じことが中国語にも言えます。推測を可能にするだけの語彙力があればだいじょうぶです。
発音の面では、後ろにnがつくかngがつくかで前の母音の音色が変化します。但し、pinyinのつづりにはそれは反映されていません。そこを注意しないと間違った発音をしてしまいます。日本語を母語とする人が特に注意が必要なのは以下のペアです。nがつくか、ngがつくかによって、その前の母音の音色が明らかに異なります。
ian(yan)とiang(yang)
enとeng
カテゴリー: 清原の中文教室
10月21日(金)1限
【連絡】
10月28日(金)1限の初めに第1回筆記試験(聞き取りを含む)を実施します。
試験範囲や問題形式など、詳しくは授業支援システムを見て下さい。
試験の後は授業を進めますので、プリントを忘れないように。
【今回の授業】
・前回の課題のチェック
・-ian(yan)の読み方について復習
・プリントp7
・筆記試験の単語のpinyin四択問題を2人1組で作る。良い問題は実際に試験問題として採用する。手書きの場合は配布した用紙で提出、または小テスト作成ソフトのHotPotatoesで作ったファイルを授業支援システムに提出。
【宿題】
・授業支援システムから中国語ピンイン講座の1〜3(声調と母音の部分)を復習してください。疑問点があれば次回の授業で出席カードに書いてください。
・試験に向けてよく復習してください。
【次回の予定】
・第1回筆記試験
・筆記試験解説
・プリントの続きp8-10
【豆知識】
-nと-ngは両方とも「ん」にしか聞こえません!
10月19日(水)5限
【連絡】
今日の課題は10月25日(火)午後6時までに授業支援システムを通じて提出してください。もし全部終わらなくても、できた分を提出してください。中国語が打てなかった部分は今日配布した用紙に手書きして、次回の授業中に提出してください。
なお、この課題は次回全員の分を授業支援システム上で公開します。
【今回の授業】
・前回の補充
中国は多民族国家。
多数を占めるのは漢族だが、漢族の話す言葉(中国語)にもいろいろある。天津・上海・広州の方言で1,2,3を数えている音声を聞く。
簡体字と繁体字(正体字)
・ファストフードの日中米の比較
マクドナルド・ケンタッキーフライドチキン・吉野家の日本・中国・アメリカのメニューを比較する。同じファストフードチェーンでも国や地域によって異なる。何が同じで何が異なるのか?
(例)サラダは中国のファストフードにもあるか?
(例)牛丼に炭酸飲料のセット?
・メニューをどう中国語に訳すか?
意訳パターン
薯条(ポテト)<イモで作った細長いもの>
直訳パターン
热狗(ホットドッグ)<熱い犬>
音訳パターン
朱古力 (チョコレート)
巧克力 (チョコレート)
【宿題】
ワークシートを使ってファストフードの日中米の比較を行い、提出してください。
【豆知識】
メニューや写真を見ただけではわからないことがあります。
中国のペットボトル入りのウーロン茶などのお茶飲料、見た目は日本のものによく似ていても、砂糖が入っていて甘いものがあります。
三得力 (サントリー)の中国語公式ページのウーロン茶のところを見てみると、わざわざ无糖(無糖)や低糖(糖分少なめ)と注記してあります。砂糖の入ったウーロン茶のペットボトルが中国では一般的だからこその表示でしょう。
三得力产品消息
【次回の予定】
中国に進出する外国企業(日本企業を含む)は会社名やブランド名、商品名をどう中国語に訳しているか?
企業の日本語公式サイトと中国語公式サイトに違いはあるか?
10月19日(水)2限
【連絡】
次回は通常の授業に戻ります。プリントを持ってくるのを忘れないようにして下さい。
【今回の授業】
・中検4級の過去問販売
・中検4級の模擬試験
・中検4級の自己採点
【宿題】
・オレンジのキクタンの第8周の復習
・中検の問題の解説を読んでおく。わからないところがあれば次回質問してください。
【次回の予定】
・オレンジのキクタン第8周
・経験の“过”、回数の言い方の復習
・前回の中検模擬試験問題に関する質問に答える
・新HSK2級の第3部分の聞き取り
【豆知識】
・中国語では中国は南北は分かれる。
北方人、南方人
・中国語では世界は東西は分かれる。
东方人、西方人
・中国語で“东洋”と言えば日本のこと。
10月17日(月)5限
【配布物】
道案内、乗り換え案内のプリント
【今回の授業】
・大阪府立大学中国語ポッドキャスト旅行会話編第20回、22回の復習
・前回の課題のチェック(自己採点)
・ジェスチャーゲーム(道案内に使う中国語の表現を聞いて指定されたジェスチャーで示す、教員についてやった後、学生同士2人組で行う)
・道案内の会話を2人組で2種類作って授業中に提出。
・ジェスチャーゲーム(前後、左右、向かい、そばという中国語を聞いて指定されたジェスチャーで示す、教員についてやった後、学生同士2人組で行う)
・約束の時間に来ない人にケータイで電話をかけてどこにいるか聞く。迷子になっている人は自分の周りにあるものを言って、自分のいる場所を知らせる。電話をかけた人は迷子になっている人が地図上でどこにいるか指さす。
【宿題】
・今回のジェスチャーゲームでとりあげた表現や単語を憶える。
往左拐 (左に曲がる)
往右拐 (右に曲がる)
往东走 (東に歩く)
往南走 (南に歩く)
往西走 (西に歩く)
往北走 (北に歩く)
一直往前走 (ずっとまっすぐ歩く)
前面 (まえ)
前边儿 (まえ)
后面 (うしろ)
后边儿 (うしろ)
左面 (ひだり)
左边儿 (ひだり)
右面 (みぎ)
右边儿 (みぎ)
对面 (むかい)
旁边儿 (そば)
・今回配ったプリントの残りを予習する。
【次回の予定】
・宿題のチェック
・再度ジェスチャーゲーム
・よく知らない場所に来たとき、〜はありますか?と聞くにはどうするか復習。
・迷子探しゲームをもう一度
・交通手段、所用時間の言い方
・乗り換え案内の文例の学習
【豆知識】
・携帯電話のことは“手机” と言います。“机”は機の簡体字です。
10月17日(月)3限
【配布物】
・道案内の会話のプリント
【今回の授業】
・前回の宿題の回収
・三文字中国語ラップ“订位子”
・前回の課題のチェック
・前期の道案内に関するフレーズをWeb上のクイズ&ゲームで復習
・教科書p85の説明と朗読練習
・道案内の会話に必要な単語学習
#〜したいときはどこに行く?
#左右、前後、向かい、そばをジェスチャーゲームで
・2人組で道案内の会話
【宿題】
・教科書p85の例文を全て憶えてください。
・教科書p46-47を予習してください。
【次回の予定】
・課題のチェック
・教科書p46-47
・時間の長さの言い方
・“一”の声調変化の復習
【豆知識】
・携帯電話のことは“手机” と言います。“机”は機の簡体字です。
・いろんな“票”(チケット)
“机票” (飛行機のチケット)
“飞机票” (飛行機のチケット)
“火车票” (列車の切符)
“电影票” (映画のチケット)
“邮票” (切手)
#“邮”は郵の簡体字
10月14日(金)1限
【連絡】
10月28日に第1回筆記試験を行います。次回(10月21日)の授業中に試験範囲や問題形式について発表します。
【今回の授業】
・前回の宿題のチェック
・ju、qu、xuの発音について複数(音声付きPDF使用)
・プリントp4の練習問題からp7の練習問題(2)まで
【宿題】
・p7の練習問題(1)(2)を憶える。
(1)你是从哪儿来的?我是从大阪来的。
(2)你是怎么来的?我是开汽车来的。
・p7の残りの練習問題を予習する。
【次回の予定】
・宿題のチェック
・p7の残りの練習問題
・p8-10
・筆記試験第1回の範囲、問題形式について説明
・筆記試験用の単語問題を自分たちで作ってみる(良い問題は実際に試験問題として採用する予定です)。
10月12日(水)5限
【今回の授業】
・文字コードと文字化け(GB・Big5・Unicode UTF-8)
・CALL教室のChineseWriterとChineseWriter付属の電子辞書の使い方
・Windows日本語版で中国語を入力できるように設定する
・Web上の機械翻訳サービス
・機械翻訳サービスの力を借りて、自分の関心のある事物について中国語のニュースがないか調べてみる。
【次回の予定】
・前回の復習:なぜ簡体字を使うところと繁体字を使うところがある?
・Webページを通じて日本と中国のファストフードを比較
10月12日(水)2限
【連絡】
次回(10月19日)に中検の過去問を販売します。850円です。お釣りのないようにしてください。
【配布物】
無しです。
【今回の授業】
・前期末試験の返却
・黄色のキクタン第1周
・中国語に合わせて上、下、前、後を指さすゲーム
・文末の“了”と動詞のすぐ後ろの“了”について補足
・プリント:“不”+動詞と“没”+動詞の説明と練習問題
・プリント:“是〜的”の構文(会話のみ、練習問題はまだ)
・新HSK2級の聞き取り第2部分を聞き取って入力する。
【補充】
今日の聞き取りに、“看完了”が出てきましたが、“看完了”と“看了”はどう違う?
本を例にとって説明します。
“看完了”→本を最初から最後まで読み終わった。
“看了”→本の一部でも読んでいればOK、最後まで読み終わっているかどうかはわからない。
動詞+結果補語については、学期の後半にもう一度まとめてやります。
【豆知識】
今日の聞き取りに出てきた“这本书很不错”の“不错”はこの2文字で「なかなか良い」という意味です。
但し、人をほめるとき使う際には、いわゆる「上から目線」のニュアンスがありますので、注意が必要です。
参考:ゴガクル中国語フレーズ“大阪城真不错啊!”
【宿題】
次回の検定模擬試験に備えて復習してください。
【次回の予定】
中検4級の模擬試験と自己採点
10月7日(金)1限
【配布物】
・シラバス
・プリント教材p1-10
・ハンコを押すカード(練習問題に自主的に答える→ハンコ1つ、正解だった→更にハンコ1つ、発音や声調が正しかった→更にハンコ1つ)
【今回の授業】
・シラバス説明
・何列めに座りたいかアンケート
・学習の記録が必要かどうかアンケート
・プリントp1-p4の前半
【宿題】
・プリントp1の例文(1)(2)と練習問題(1)(2)を憶える。
・朗読にチャレンジする人は、p3の練習問題(1)-(5)にpinyinを振って練習しておく。
・p4の練習問題の予習をする
【次回の予定】
・宿題の確認
#聞き取り、日文中訳(簡体字+pinyin)、朗読などの方法で確認。朗読以外は自己採点
・プリントp4の練習問題からp7まで
【豆知識】
“我的书”(私の本)と“中文书”(中国語の本)
“我的书”(私の本)は、私が所有している本
“中文书”(中国語の本)は、中国語が本を所有しているのではなく、本の中身が中国語。
日本語では両方とも「の」が入っているのに、中国語で“的”があったりなかったりするのはこの違いです。